今回ご紹介するのは、2000年アメリカで公開された映画「インビジブル」です。
本作は、透明人間となり、次々と犯罪を犯していく研究者と、それを止めようとする人々との闘いを描いた作品となっています。
透明人間を題材とした作品は昔から多く作られていますが、映画となるとその数は多くはないかもしれません。
ではどんな作品なのか、さっそく見ていきましょう。
「インビジブル」
引用元:Yahoo!映画
2000年 アメリカ
原題:「Hollow Man」
監督 :ポール・バーホーベン
出演: ケヴィン・ベーコン
エリザベス・シュー 他
映画「インビジブル」あらすじ
天才科学者・セバスチャン(ケヴィン・ベーコン)は、国家の機密プロジェクトとして「生体の透明化と復元」を研究するチームのリーダーであった。
彼とそのチームは動物実験では透明化に成功していたものの、透明化の際に精神に異常を及ぼしたり、復元ができなかったりといった問題を解決できずにいた。
その後、動物実験において透明化からの復元を成功させた彼らであったが、セバスチャンはその功名心からこのことを政府に報告せず、自らの体で人体実験を行ってしまう。
なんとか透明化には成功したセバスチャンであったが...
映画「インビジブル」感想、見どころ(ネタバレ注意)
戻れなくなっちゃった
透明化には成功したセバスチャンでしたが、復元の段階で実験は失敗し、透明状態から戻れなくなってしまいます。透明のままいる期間が長くなるにつれ、段々と精神に異常をきたし凶暴性が増していくセバスチャン。ついには仲間の目を盗んで街に飛び出し、犯罪行為に手を染めていくのです。
透明人間になってみたいというのは昔から定番の夢ではありますが、こんな風に戻れなくなってしまうとなると話は別ですよね。
作中セバスチャンが透明人間になって不便なこととして、瞼が透明であるからうまく睡眠がとれないということを挙げてましたが、これは個人的に盲点でした。たしかにそんな状況から戻るすべがないという状況を想像すると、なかなかにきついものがありますね...
ともあれ、透明人間となって自由と凶暴性を獲得したセバスチャンは、己の”欲望”のままに行動し始めたわけです。
透明人間とのバトル
どんどんと狂暴になっていくセバスチャンですが、ある時、同僚で元恋人のリンダ(エリザベス・シュー)とマットが付き合っているという関係を目撃してしまいます。これによる怒りで我を失ったセバスチャンは、地下にある研究室に研究チームを閉じ込め、全員を殺害する計画を実行するのです。透明であるという能力と天才的な頭脳をもって仲間たちを一人また一人と殺していくセバスチャンでしたが、最終的にリンダとマットの機転によって倒されてしまいます。研究所の爆発に巻き込まれてセバスチャンは命を落とし、この物語は終わりを迎えます。
この終盤の展開ですが、なんだか急にモンスタースリラー的な作品に変わった感じがして少々驚きました。特に最後のバトルに関してはいろいろと工夫が凝らされており、見ごたえアリです。
それにしてもセバスチャン、透明化の影響でこうなったのかもともと凶暴性を秘めていたのかはわかりませんが、ちょっとだけかわいそうな気もします。最後とか完全に悪役になっちゃったし...
リアルな透明化の描写
この映画の見どころは、なんといっても「透明人間」を映像としてリアルに描いたというところでしょう。VFXを用いて人や動物がだんだんと透明になっていく様子が繊細に描かれます。
またこの映画が製作されたころはちょうど本格的に映画にCG技術が導入され始めた時期でもあり、新技術を用いて、これまで製作の難しかった題材の映画が多く生み出された時期でもあります。この映画もそんな時代の流れに沿って作られた一本であることは間違いないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか、人類の夢、透明人間を描いた映画「インビジブル」
「透明人間」というものを題材に一本映画を撮るとこうなる、というお手本のような作品なんじゃないかと思いました。
天才研究者が狂暴化し、人類に牙を剝く、という面で見れば、以前紹介した「ザ・フライ」とも似通っているかもしれませんね。
気になった方はそちらと併せて是非チェックしてみてください。
個人的おすすめ度 ★★★☆☆